- TOEICをスコアアップするためのテクニックを知りたい人
- TOEICのスコアアップだけでなく英語を話せるようになりたい人
- 音読を中心とした勉強方法を探している人
- オーバーラッピングやシャドウイングの方法がイマイチわからない人
- 文字ではなく音声のTOEIC講座を聞きたい人
- TOEICスコアが900点未満の人
こんにちは、Yoruです。
今回は、『TOEIC®テスト900点。それでも英語が話せない人、話せる人』を読んだ感想を書きたいと思います。
本の概要
とあるビジネスマン2人のストーリー
一般的な解説書とは異なりストーリー仕立てになっており、物語を読みながら勉強法を学べます。
主人公は、とある日本企業の営業マン。富澤と松ヶ根です。
ある日、2人が勤める会社で突然「社員全員がスコア600点以上」を取らなくてはならなくなりました。
グローバル化に向けて人事考査にTOEICスコアを考慮することになったのです。
学生時代以来英語とは無縁だった2人は急遽TOEICを受験することになります。
初めはスコア600点に届かなかった2人ですが、講師の喜多川にアドバイスをもらいながら少しずつスコアを伸ばしていきます。
2人は供にスコア900点を目指しますが、その姿勢は違いました。
松ヶ根はとにかくスコアアップを追い求め、テクニックを集めます。
富澤は海外営業部への異動を目指して、実践的な英語を学ぼうとします。
喜多川は松ヶ根には効率重視の勉強法を、富澤には音読を中心とした勉強法を伝授します。
2人がスコア900点を突破したとき、どちらが英語を話せる人、話せない人になるのでしょうか。
読者は、2人の成長ストーリーを通してスコアアップの勉強法を学びます。
本書では、特に音読の勉強法について詳しく解説されていますので、オーバーラッピングやシャドウイングのやり方にピンときていない方は必見です。
TOEIC講座の音声データあり
本書に記載されているウェブサイトから、著者のヒロ前田先生によるTOEIC学習法講座の音声データをダウンロードすることができます。
内容は、物語の中で富澤が実践していた音読の方法について。
約90分のボリュームです。
物語と併用して利用することで理解を深めることができます。
本の感想
英語を話せるようになりたい人には最適な勉強法
この本は音読中心の勉強法を紹介しているので、英語を話せるようになりたい人には最適な勉強法だと思います。
わたしも音読の練習をしたことがありますが、音読は時間もかかるし体力も使います。
ですが、確実に実力が付く方法です。
逆にスコアアップだけを目的にしている人には回り道になってしまうでしょう。
音読は決して楽な勉強法ではありませんので、最短でスコアアップしたい人にとってはモチベーションを下げてしまうかもしれません。
この本では、スコア600点未満のうちから音読による学習を推奨していますが、初級者にとっては難しいと思います。
物語の中で、講師の喜多川は決してスコアアップ重視の効率的な勉強法を否定しているわけではなく、「自分の目的に合わせて勉強法を決めるべき」という旨のことを言っています。
ですから、自分がただTOEICのスコアアップをしたいのか、総合的な英語力をレベルアップしたいのか、考えてみるといいでしょう。
前者の場合、必ずしもこの本の音読法を行う必要はないと思います。
ですが、スコア900点以上を取りたいならいつか必ず音読をすることになります。
将来的に900点以上を目指したいなら、本書で音読法を学んでおくと良いでしょう。
スコア900点以上の勉強法としては、清涼院流水先生の『TOEIC®テスト300点から990点へ、「7つの壁」を突破するブレイクスルー英語勉強法』がわかりやすいです。
『音読のしかた』が詳しくわかる
この本の最大の魅力は、音読法講座の音声データが付いていることです。
物語だけでは音読のしかたが理解しにくいのですが、音声データを聞くことですっきりと整理して学べます。
個人的には、これまで自己流でやっていたシャドウイングのやり方を改めて学べたことが大きな収穫でした。
シャドウイングとは、音源から少し遅れて同じように発音する練習方法です。
どの程度遅れて話すべきか、適切な声の大きさはどのくらいか、そういった細かいことにも気を配らなければならないと気づかされました。
音声データの中で著者のヒロ前田先生が実際にシャドウイングをしている様子を聞けるので、とても参考になります。
ストーリー仕立ては好みが分かれそう…
本書の最大の特徴は、勉強法が物語で学べるということです。
この手法は好みが分かれるのではないかと思います。
わたしは正直あまり好きではありませんでした…。
物語の様々なところにTOEIC勉強法が散りばめられているのですが、まとまっていないのでわかりにくいです。
各章の最後にはヒロ前田先生の解説があるにはあるのですが、それも解説というよりは「補足」に近いような形です。
後で「あの勉強法って何だったっけ?」となったときに、どこに書いてあったか探しにくいので、読みたいところになかなかたどり着けません。
個人的にはもっとコンパクトにまとまっていて欲しかったところです。
ただ、物語の内容としてはビジネスパーソンにありがちな設定なので、自分自身の状況を照らし合わせて読み進めることができます。
まだあまりTOEICのことをよく知らなくて、スコアアップさせることでどの程度英語ができるようになるのかな知りたい、という漠然とした興味を持っている方には、このようなストーリー仕立ての方がわかりやすいかもしれませんね。
まとめ
今回は、『TOEIC®テスト900点。それでも英語が話せない人、話せる人』をレビューしました。
音読中心の勉強法なので、スコアアップだけで良い方にはあまりおすすめしません。
というよりも、音読をして損はないですが、少々遠回りだと思います。
将来的に英語を使ってビジネスをしたい方は一度読んでみても良いでしょう。
また、スコアアップだけで良いのか、ビジネスで通用する英語力を鍛えるべきか、悩んでいる方にもおすすめします。
富澤と松ヶ根、2人のストーリーを読むことであなた自身の目標が見えてくるかもしれません。